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輪奈織の歴史は古く、今から500年近く昔の中世ヨーロッパにさかのぼります。
当時の王侯貴族を中心に珍重されたその技は南蛮貿易により我が国に伝来し、江戸中期頃、織り始めたとされます。
熟練の手技で針金を一越一越通し、丹念に織りあげていく大変手間ひまかかる立体感あふれた織物です。
針金を通し織り上げられた後、熟練の手技によりビロードにカットされ、深い味わいを持つ作品に仕上げられます。
紀州東照宮所蔵茶壺口覆
今から四百年以上も昔に茶人千利休が愛用した茶壺の口覆の地合いに履き詰められた金糸が「縷金」です。太細のあるつむぎ糸に金箔を巻きつけた美しい素材です。
織のきものとしての最高級品で、徳川十一代将軍 家斉公が好んで愛用し、その名が付いた「お召」は強撚糸を使用し、ふくれ織の味わいのある西陣独自の着尺に弊社の織り技で縫取により文様を表現しました。